ヒアリングは、コピーライターとして活動するためにとても重要なスキルです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この事実をわかっていないコピーライターは意外と多いです。
特にコピーライティングを机の上で勉強しているだけのコピーライターは、当てはまることが多い(なぜなら、僕自身がそうだったので・・・笑)。
ヒアリングの重要性は机の上ではわからないことだらけ。現場に出て実際にヒアリングしてみて初めて実感すること・気づくことがたくさんあります。
ここではコピーライターがヒアリング時に欠かせない3つの要素と各ポイントをご紹介します。
実際のヒアリング現場でも使える内容なので、ぜひ使ってみてください。
もくじ
ヒアリングの事前準備
ヒアリングをする際は、事前に「何を聞くのか?」を決めておくことが重要です。
どんな人にヒアリングをするにしても事前準備がある・なしでは、ヒアリングの精度に大きな差がでてきます。質問内容や段取り、ヒアリングに費やす時間など、様々な部分で違いが出てくるので、しっかり事前準備をするクセをつけておきましょう。
ヒアリングは“直接”聞くことが大事!
ヒアリングはできるだけ、直接、人に会って実践しましょう。
- クライアント
- クライアントの顧客
- クライアントの見込み客
- 見込み客になりそうな人
見込み客とは、お客様になる可能性がある人。商品・サービスを購入してくれる可能性が高い人のことです。
もし誰もいない場合。究極的には誰でもいいので、見込み客やターゲットに近い人物にヒアリングしてみましょう。
ヒアリング3つの要素「何をヒアリングするのか?」
時間・場所・ヒアリングの方法などを事前に決めておくことが重要ですが、何と言っても重要なのが「何を聞くのか?」を決めておくことでしょう。
実際、ヒアリングをしたことない場合は、何をヒアリングしたらいいのかよくわからないと思います。ヒアリング内容として、基本的には次の3つを押さえておきましょう。
■ヒアリングする3つの要素
- 要素1:思い込み、常識(Belief )
- 要素2:欲望・願望・不安・悩み(Desire)
- 要素3:感情、気持ち(Feeling)
3つの頭文字をとって『B・D・F』と言います。1つ1つ解説していきますね。
ヒアリングする相手の状況に合わせて質問項目を臨機応変に変えていくこともあります。それでも、3つの基本項目はヒアリングしておいて損はないので、必ず聴いておくことがオススメです。
要素1:思い込み、常識(Belief )
ヒアリングする相手が商品・サービス、もしくは、業界に対して・・・
- 抱えている思い込みは?
- 当然と思っていることは何?
- こうあるべきだ!と思っていることは?
例えば、
・投資は怖い
・投資は絶対損する
・結局、ダイエットは大変
など
ヒアリング相手が抱えている「思い込み、常識」を聞き出してあげてください。
「B」をどうやってコピーにするの?
なぜ、思い込み、常識(Belief )をヒアリングするのか?
理由は“共感ポイント”を見るけることができるからです。
例えば、「投資は怖い」と思っている人に対してレターを書く場合。
レターの冒頭で「投資は儲かるって聞くけど、実際はめっちゃ怖いですよね。」という具合に、共感してあげることができます。
相手に共感してあげることでラポール(信頼関係)を構築することができ、その信頼が最終的な成約へと繋がっていくからです。
反対に、相手の常識を否定することで注意を引きつけることもできます。ブログやメルマガのタイトルやセールスレターのキャッチコピーを作るときに使える手法です。
参考例
・マーケティングは勉強するな!
・ブログを毎日書く人は稼げない
など。
相手の常識・思い込みを『否定』で強く引きつける。
ヒアリングした『B』の要素を否定することも効果が高いです。しかし、否定を使う場合は1つ注意点があります。それは、否定した根拠をしっかり示すことです。
- なぜそう言えるのか?
- その根拠は?
- その証拠は?
否定した後に書いてあることが、曖昧だったり、つじつまが合わないのはNGです。そうなると共感やラポール構築とは反対に、大きく信頼をなくしてしまいます。
否定を使う場合は『常識の否定+確固たる根拠・証拠』が必要です。ただ単に否定すればいいというものではないことを覚えておいてください。
要素2:欲望・願望・不安・悩み(Desire)
ヒアリングする相手が商品・サービス、もしくは、業界に対して・・・
- 持っているが欲望・願望は何か?
- どんな欲求を抱えているのか?
- 夜も眠れないぐらい不安なことはあるか?
- 今、何が1番不安か?何に悩んでいるか?
- もし魔法のボタンがあったら何を解決したいか?
ヒアリング相手が抱えている「欲望・願望・不安・悩み」を聞き出してあげてください。
「D」をどうやってコピーにするの?
ヒアリングで聞き出した『欲望・願望・不安・悩み』に対してメッセージを書くこと。これが『D』をヒアリングしている目的です。
少し専門的な言葉でいえば『訴求』を決めることができます。(訴求とは、ターゲットが行動したくなるように訴えかけること。)
コピーを書く相手(ターゲット)が抱えている『欲望・願望・不安・悩み』に対して訴求してあげることで、レターの反応率を高めることが可能です。
例えば、こんな感じ。
・お金が欲しい
・女にモテたい
・借金チャラにしたい
・もっと自由に生きたい
など。
僕らは普段の生活の中で自分が抱える『欲望・願望・不安・悩み』を明確に意識する機会はほとんどありません。でも潜在的には抱えているものなので、明確に訴えかけることで思わず(無抵抗に)反応しています。
- レターのキャッチコピー
- ブログ・メルマガのタイトル
訴求内容が大事なコピーを書くときは特に、『D』の要素を強く意識してください。
要素3:感情、気持ち(Feeling)
ヒアリングする相手が
- 業種・業界に対して持っているイメージは?
- どんな業界だと思っているのか?
- 今、売れてる広告やライバルの広告を見て、ぶっちゃけどう思うのか?
ヒアリング相手が抱えている「感情、気持ち」を聞き出してあげてください。
「F」をどうやってコピーにするの?
ヒアリングで聞き出した『感情、気持ち』から、感情移入しやすいコピーを書くこと。これが『F』をヒアリングしている目的です。
自分が「上手く書けた!」と感じるコピーでも、それを読んだターゲットが反応してくれなければ、コピーとしては失敗作になります。
ターゲットが反応してくれるために効果的なのがストーリーです。ストーリーを見ると、イメージが湧いてきて、自然と感情移入しやすくなります。
どんな人でも頭で「理解」しただけでは行動しません。人が動くのは「感情」が動いた時だけです。
コピーライティングの目的は、文章で人を動かすこと。つまり、文章で人の感情を揺さぶる必要があります。
ではどうすれば読者(ターゲット)の感情を揺さ振れぶれるのか?
そのヒントを『感情、気持ち(Feeling)』のヒアリングで見つけることができます。ヒアリングの際は、次の2つのポイントに意識を向けてみてください。そこにターゲットの感情を動かすヒントが隠れています。
【1】エピソードトーク
- イライラしていたこと
- 嫉妬していたこと
- 不安に感じていたこと
- 恐怖を感じたこと
【2】相手が使っている単語(全体を通して意識する)
- 読者が思わず反応してしまう“パワーワード”が隠されている(気になったものをメモする)
ヒアリング力を高める最大の秘訣
コピーライターに欠かせないヒアリングスキルについてご紹介してきました。
「何を聞いたらいいのか?」
ヒアリングの質問内容に悩む人は多いので、ぜひ今回ご紹介した3つの要素を意識してください。
- 要素1:思い込み、常識(Belief )
- 要素2:欲望・願望・不安・悩み(Desire)
- 要素3:感情、気持ち(Feeling)
ヒアリングの際のコツは、1つ1つの要素を明確に線引きして「これはB」「これはF」というように、きっちりヒアリングしないこと。
きっちり線引きしてしまうと、ヒアリングの形にとらわれてしまうので、自分に余裕がなくなってしまいます。リラックスして楽しい雰囲気でヒアリングすることも大事なので、3つの要素にこだわり過ぎないようにしましょう。
でももしかすると「ヒアリングのコツってそれだけ?」と思っているかもしれませんね。実はヒアリングの精度を高めるためには、ちゃんと意識するべき秘訣があります。
この秘訣を知っているのと、知らないのでは、相手から聞きだせる情報の質が大きく変化します。
ともて重要な内容なので『ヒアリング力を高める最大の秘訣』については、次回の記事でしっかりお伝えします。ぜひ楽しみにしておいてください。